次男が初めて学校の授業に参加しました。
それまでの経緯をまとめた記事です。よろしければお付き合いください。
入学前~学校デビューするまで
入学前
次男は入学前の時点では学校へ行く意思はなさそうにみえました。
そのときのことはこちらの記事をどうぞ。→「就学させる義務」と「学校へ行かない選択」について
長男は保育園へ行っていて、次は小学校であるという感覚を持たされてから入学したので、入学自体には抵抗はありませんでした。(本心は今となってはわかりませんが。)
次男に関しては保育園を退園し、家庭にいた時間が長いため、集団に属するという経験値が少ない状態でした。
かつての私だったら無理強いしてでも行かせたかもしれません。
でも長男の不登校の経験で、その方法は今の私が選択する方法ではないと感じていました。
本人が学校へ行きたい、行ってみようと思うまで待ってみよう。(いつでも学校に行けること、行ってもいいことは伝えた上で。)
そのような思いから、1年生になってもすぐに学校へ行くという生活にはなりませんでした。
もう一つの理由

もう一つ学校へ行かせようという働きかけをしなかった理由を付け加えると、次男が学校へ入学する前のある時期、外出をとても怖がるようになっていました。(解説が長くなりそうだったので過去記事では触れていません。)
ある朝「怖い夢」を見たと言って、外出を怖がり、じじばばの家へ行くことも、公園へ行くことも拒否するようになっていたのです。
無理やり連れだすわけにもいかず、食品などの買い物は宅配ですませ、私が外出したいときはじじばばに来てもらう形をとって、その時期を乗り越えました。
そんな時期が入学前にあったので、なおさら次男が学校へ行くことに対して私自身が消極的でした。
数週間その状態が続き、ある用事で知人が家に訊ねてきたときのこと。
家に来る人に対してはウエルカムな次男は、その知人が来たときに話しかけにきました。
知人も子供の対応に慣れており、ポケモンgoの話で次男の興味を誘ってくれました。
知人が帰ったあとに次男は「ポケモンgoやりたい!ダウンロードして!」とやる気満々に。
数年前にダウンロードしたことがあり、アカウントはある状態です。再ダウンロードしてログインすると、当時ゲットしたポケモン達が待っていてくれました。
ポケモンgoではレイドバトルという、伝説や幻ポケモンなどの強敵が出現するバトルがあります。
後日ポケモンgoで遊んでいると、近所の歩いて行けるスポットにレックウザが出現しているではありませんか!
次男はレックウザをゲットしたいがために、「行ってみる!」と自分の意志で外へ出ようという気持ちになりました。
このチャンスを逃してはならない、と慌てて準備をし、いざレックウザスポットへ。
次男は緊張しながらも外出することができ、レックウザスポットへ辿り着くことができました。
残念ながらレックウザをゲットすることはできませんでしたが、外出できたという事実は次男自身にとっても嬉しかったようで、「僕、外に行けたよ!」と笑顔で私に伝えてくれました。
そのことが自信につながったのか、公園や買い物など、嫌がらずに外出できる機会が増えていきました。
ありがとうポケモンgo!
訪問支援
話がそれましたね。戻ります。
次男が入学せず家庭で過ごしている間、学校から働きかけがなかったわけではありません。
学校側から「こども応援委員会のカウンセラーとお話ししてみませんか?」と言われたことがあり、まぁ受け入れてみるかと面談をすることになりました。
ここで、こども応援委員会の説明を少しだけ。
私が住む地域にはこども応援委員会という教育委員会が主となった連携機関があります。(学校側の提案で初めて知りました。)
その目的は、こどもとその保護者へ関わりを持ちながら、より良い方向へ進むためのお手伝いをしてくれるというもの。
学校の先生やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなどが連携を取り、こどもや保護者に対して必要なアプローチをしていくそうです。
全国的に拡がっているわけではないようですが、お住まいの地域にも似たような機関があるかもしれません。一度調べてみるのも良いと思います。公的機関でなくても、NPO団体がサポートを行っているケースもあります。
後日学校にてこども応援委員会の人と面談をしてみると、学校の先生のような威圧感や催促する感じはありませんでした。
状況を話し、今は学校へ行かせるつもりはないことを伝えました。
すると、カウンセラーによる訪問支援を利用してみてはどうかという提案をされました。(学校としても、何も働きかけをしないという状況のまま放置したくない事情があったのだと思います。)
こどもが嫌がるようなら次は断っていいというので、訪問支援を考えてみることに。
家に帰り、こどもたちにお客さん(スクールカウンセラーさん)が来るかもしれないと伝えると、長男は嫌がり、次男は抵抗なし。
長男には訪問の間は耐えてもらい(?!)、次男へのアプローチとして訪問支援に来てもらうこととなりました。
学校デビュー

最初の訪問では次男はそれほど興味を示さず、あいさつをする程度でした。
次回くらいからだったか、次男の好きなぬいぐるみを見せたり、一緒にぬいぐるみごっこをしたりと、短時間(10分くらい)ですが関わりを持つようになりました。
回を重ねていくごとに、次男の中では『ぼくに会いに来る人』という認識になっていったようです。
徐々に訪問に対する抵抗がなくなり、数回訪問が続いた頃だったでしょうか。カウンセラーの先生と一緒に次男のクラスの担任の先生も訪問することになりました。
学校でどんなことをしているのかを伝えてもらったり、どんぐりのお土産をもらったりと、少しずつ担任の先生との距離が縮まっていくようでした。
ある訪問のとき、学期末のある日にクラスのみんなで遊ぶ「おたのしみ会」があることを知らせてくれました。
図工や体育の授業にはまったく興味を示さない次男が、お楽しみ会の内容を聞き「行ってみる!」と返事しています!
私は内心驚きながらも、「行けそうなら当日学校に電話で連絡します」と先生に伝え、その日の訪問は終わり。
いよいよお楽しみ会の当日。
いつもはのんびり起きてくる次男が、私より早く起きているではありませんか!
余裕をもって学校へ行く支度ができ、いざ学校へ向かいます。(長男は祖父母宅で待機)
クラスのみんなに初めて会い、盛大なウエルカム(という名の質問攻め)を受けびびっている次男。
お楽しみ会ではじゃんけんを使ったゲームや、校庭での鬼ごっこをし、クラスの子に教えてもらいながら楽しんで参加していました。
くたくたになって家へ帰り、興奮が冷めない中、長男や祖父母に今日の学校での出来事を報告していました。
次男の口から「楽しかった」という言葉が何度も出てきていました。
初めての学校体験は、『楽しいもの』としてインプットされたようです。
私は、次男にとって学校の授業が良い記憶として残るといいなぁとどこかで期待していたのかもしれません。
次男の満足そうな顔を見られて、とてもほっとしました。
まとめ
たまたま担当の方がソフトな方だったのはラッキーだったといえます。
長男への配慮もあり、訪問時には毎回玄関先での対応のみでした。(場合によっては、カウンセラーさんと子供が一緒に公園に行ったりすることもあるそうです。)
「学校へ行かせる」というような圧力をかけるわけではなく、家庭と子供に合わせて寄り添った対応をしてくれることは、とても有難いなと感じました。
学校の先生のみだと、どうしても圧を感じられる対応になりがちです。(今までの経験上の私見です。)
学校の先生と家庭の間に立って、両者を擦り合わせていくのがこども応援委員会(カウンセラーさんやケースワーカーさん)の役目であるのでしょう。
今回は上手くいったケースなのではと、我が家庭のことながら客観的に見てしまう自分がいます。
どの家庭でもスムーズにいくことが理想ですが、すべてのケースにきめ細やかな対応をしていくことはきっと難しいでしょう。
それでも、我が家のように親子で過ごす時間が長く、なんとかして今の状況に風穴を開けたいと願っている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そのように感じている方が読んでくださっていたら、ぜひこのような外部機関を探してみることをおすすめします。
公的機関以外にも、不登校児や子供向けのNPO団体が訪問活動を行っている場合があります。
地域の不登校児の親の会で情報を聞いてみるのも良いかもしれません。
不登校で悩んでいる方が、よいきっかけに出会えることを心から願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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